コウちゃんのアルバム!〔最終章〕
もうあかん言われてひと月半や。
頑張ったかいあって、待望の桜がまた見れたがな。
感無量や!
これで、思い残すことないわ。
幸せやなぁ~。
今日は、暖こうて、専用の寝台車で近所の桜並木を散歩や。
まだ、六分咲きやけどな。
しっかり、おいらと桜を撮っといてや。
ほんま、幸せや。
じっと、桜、見てると心が和むなぁ~。
生粋の花見はこう言うことを言うんやで。
ほんまは、ワンワン俳句なんかも考えてるんやけどな。
人間様にはわからへんやろなぁ。
『一目見て、散りぬるおいらも、ワンだふる。』
まあ、こんなもんや。
よう、味わってほしいわ。
ご主人みたいに、おいらは呑兵衛と違うからね。
桜の次は、おいらのお誕生日や。
これ超えるのが次の目標やな。
なんとか、頑張って5月に入ったがな。
でもな、油断しとったら、とうとう床ずれや。
毎晩、寝るときに、いつも同じ方向で寝てたからかなぁ。
治るまで、また、ひと月ほどかかるらしいなぁ。
カラダが麻痺してるさかい、痛さはないんやけどな。
見た目に痛々しいし、動物虐待やと思われるしな。
まぁ、骨ばったところにタオルを敷いて頑張るしかないなぁ。
それでも何とか、5月末には14歳の誕生日を迎えられたわ。
朝から、いつも通り、おしっこさせてもろて。
マッサージとブラッシング、仕上げに濡れタオルできれいにしてもらうんや。
この三か月間は、今まで毎月、してたシャンプー・リンスもしてもらってないさかいな。
よだれは出るし、目やにも治らんし、みじめなありさまや。
年いっても、元気じゃなければ、ダメですね。
今日も、一日、ヨーグルトとドッグフードや。
5月も終わりになるとだんだん暑くなってきたし、先週ぐらいから湯たんぽも止めてもらってるんや。
寒くて、体温も低うなってるから、湯たんぽしてたんやけど、もう暑いわな。
梅雨を超え、暑い夏を乗り切れるかが、これからの勝負どころや。
しかし、ちっとも良くならんし、日に日に、飲み食いするのも大変になってきてるわな。
寿命には勝てへんさかい、神様の思し召しがあるまでは頑張ろ、思てるんや。
まあ、毎日、家族みんなが一生懸命においらのことを気にかけてくれているのが何よりや。
5月31日。誕生日のあと4日経って、いつも通り、
朝に、トイレとマッサージ、ブラッシング、そして、濡れタオルできれいにして、水を飲んで、一日が始まった。
ご主人は図書館に。
昼前に帰ってきても家の中には誰もおらん。
そのころ、奥さんがおいらを掛かり付けの医者に連れて行ってくれていた。
11時ごろ、奥さんが昨日もあまり食べていないし、ヨーグルトも食べないし、お水でもと、飲ませたあと、
急に、むせて、息苦しくなり、医者に連れて行ってくれたが、おいらはお迎えが来てしまったのだ。
奥さんが、段ボール箱に入れられたおいらを抱えて帰ってきてくれた。
コウわんの好きな花と色鮮やかな毛布にくるまれて。
おわりはあっけなかった。
コウわんお疲れ様でした。
そして、ありがとう。
やすらかな、幸せそうな顔をしたコウわん。
本当にありがとう。
コーギー特有の変性性脊椎症を患って丁度4年。
よく頑張った。
市役所に死亡届を出して、斎場へ。
コウわんとの最後のお別れだ。
あっけない死。ダメだと言われてからも三か月。
よく頑張ってくれた。
この三か月間に、いろいろなことをコウわんは教えてくれた。
泣きもせず、なされるままの三か月だった。
その間も、怪我をさせたりしたが、家族も一生懸命、一緒になって介護したと思う。
14年間、家族の一員として、我々と付き合ってくれた。
本当に、コウわんありがとう。
そして、お疲れ様でした。
斎場でコウわんと最後のお別れだ。
本当にコウわんありがとう。
これからは、コウわんに会いたくなれば斎場にある塚にお参りに来ればいいんだ。
コウわんの好きな花を携えてコウわんに会いに来るよ。
コンわん本当にありがとう。
そして、お疲れ様でした。
家族が一番大切であることを教えてくれたコウわん。
さよなら、コウわん。
ココアちゃん、ショコラちゃん、アンナちゃん、ポーラちゃんがコウわんの大好きな花を持ってきてくれたよ。
良かったね。
うれしいね。
いままで、仲良くしたり、喧嘩したりしたけれど、友達はいつまでもコウわんのことを忘れないって。
本当によかったね。
みんな、ほんまにありがとよ。
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